前にも話したことがあると思いますが、
若い時って、今しかできない事をやっておきたいと思う事があると思います。
以前、それを思い出してしまった事があって・・・
私が、幼稚園で一番上のクラスで、もう少しで小学校に行くという事を知った時の話です。
(・・・・記憶違いで、面白い方を頭の中で優先してしまってたら許してください)
風邪をひいて病院に行くこととなって、
待合室で待つ事になって、幼稚園の一番上のクラスにもなっているので、
騒ぐ事なく、我慢して待合室で待っていました。
そうしたら、病院の診察室から子供の大きな泣き声と叫び声が聞こえてきました。
その子供は、注射を打つと病院の先生から告げられたみたいで、
そこから、走って逃げてきて、待合室まで走ってきました。
看護婦の女性はその子供を追って、
捕まえようとするのですが、その子供は待合室の開いたドアの空間の両わきを
左手は左の脇に、右手は右の脇につかまって、
看護婦はその子供の腹の部分をつかんで逃げられないようにして、
その子供は、その力に負けないようにと
今度は、左足を左の脇に、右足を右の脇にひっかけて
宙に浮かんだ形で抵抗していました。
ちょうど、待合室の椅子に座っている人は、そのドアの方をみんなが向くようになっている形でしたので、
みんなの注目を集めている状態で、
私は、その最前列の中央に座っていました。
その子供は当時の私より小さい子供でした。
「助けて、注射を打ちたくない」というような言葉を
泣きながら、私たちに叫んでいました。
この場合は、書かなくてもわかると思いますが、
看護婦の味方というか、小さい子供を助ける人は一人もいませんでした。
・・・・もう最初にネタバレみたいな文章を書いているので
ばれている人には、ばれている気がするけど、続けます。
看護婦の方が力が強いので、小さい子供は叫びながら、
診察室へと連れていかれました。
当然、注射を打たれたと思います。
その光景が今でも私の脳裏に焼き付いている感じです。
そして、私も診察室に呼ばれることになって、
病院の先生から注射を打つという診断を受けました。
でも、私は当時は確かに注射はまだ嫌な状態で打ちたくないという感じだったんですけど、
特にさっきの小さい子供のように泣きながら叫んだりするようなことをした事もないし、
診断を受けた時は、嫌だな注射かという感じで思っていたと思います。
そして、さっきの看護婦が注射を手にして、私に打つという瞬間に
私は文章の冒頭で書いたように、急に
「もうすぐ小学校に入るわけなんで、あんな小さな子供のようなことはできない」
から
「小学校に入ったら、あんな子供のようなことはできなくなる」
という考えが出て
私も診察室の治療室から逃げることにしました。
私はその時は、泣いていなかったので、野球選手の盗塁のように
顔の表情や素振りを見せずに、動き出したと思います。
看護婦の人は、あっていう感じで驚いたと思います。
そして、私は待合室まで走って、多分、泣きながら
待合室で待っている人達に、さっきの子供のように叫んで抵抗したと思います。
当然、待合室の人は誰も助けませんでした。
そして、私は注射をおしりに打つことになって、
叫びながら抵抗していたんですけど、
その状態で看護婦の人は注射を打ったら、
注射の針が折れてしまいました。
もう一回、打ち直さないといけないなって話して、
私はもう一度、おしりに注射を打たれました。
2回目は静かに抵抗せずに打ったと思います。
その時は、もうそういう事はしない方がいいなと思ったという話です。
ただ、その時でしか、できない事ってあると思うので、
急にふと思って行動してしまう事ってあるなという話でした。
ちょっと普通な小話でした。
見てしまうと、できる歳のうちに
やってみようかなと思ってしまったという話ですね。
でも、大切なことを話している気もする。
小さい子供もそうなんですけど、私もそうですが、
今の歳になって考えると、待合室に逃げ込もうとするのではなく、
病院の外に逃げるべきだったんだろうなと思いました。
当時の待合室は診察室に入るための密室の状態の部屋でしたから、
診察室にいづれ入ることになりますから。